和傘とは?蛇の目傘・番傘・雨傘との違いも紹介

和傘は日本の伝統的な傘で、美しい和装や日本文化と深く結びついています。傘には他にも種類があり、蛇の目傘・番傘・雨傘などがあります。これらの傘にはどのような違いがあるのでしょうか。本記事では和傘・蛇の目傘・番傘・雨傘について、それぞれの特徴や和傘との違いについて解説します。多様な傘の世界を覗いてみましょう。

和傘とは

和傘

和傘とは、竹などを使った骨組みに和紙を貼って作った傘の総称です。ここでは和傘の特徴・メリット・種類について解説します。

和傘とは

和傘の特徴

和傘のメリット

和傘の種類

和傘の特徴

和傘の特徴は、非常に丈夫で雨に濡れるほど頑丈になっていくことです。和傘は和紙でできていますが、その上から油を塗ってコーティングをしています。そのため水に強く、濡れたり乾いたりを繰り返すたびに耐久性が増していきます。

また和傘はデザインも特徴的です。日本の伝統的な季節の花や風景が描かれることが多く、和装に特に馴染む柄になっています。和傘は手作りされることがほとんどのため、一つひとつに違った個性が現れます。

和傘のメリット

和傘のメリットは軽量で持ち運びがしやすく、畳むとコンパクトになることです。一般的な傘には金属や布が使われていますが、和傘は竹や和紙など軽い素材で作られています。そのため非常に軽く持ち運びに便利です。また和傘は骨が多いため、畳むと傘生地が内側にしまわれます。そのためコンパクトに持ち運ぶことができます。

さらに和傘には、和装と相性が良いというメリットもあります。和傘はよく和装のアクセントとして使用されます。

和傘の種類

和傘の種類には、番傘・蛇の目傘・日傘・舞傘などがあります。このうち雨用の傘として使用されるのは番傘と蛇の目傘です。どちらも和紙の部分を油でコーティングしているため、雨に濡れても問題なく使用できるようになっています。

一方の日傘や舞傘は雨天時には使えない傘です。和紙をコーティングしておらず、防水加工はされていません。日傘は直射日光を遮るために使用されます。舞傘は日本舞踊や歌舞伎の小道具として使用されます。

蛇の目傘とは

蛇の目傘(じゃのめがさ)とは和傘の1種です。傘を開くと、蛇の目柄と呼ばれる蛇の目(へびのめ)をかたどった模様が現れることから名付けられました。蛇の目傘の和紙には植物油による防水加工が施されており、雨天時に差す傘として使用されます。

蛇の目傘の特徴

蛇の目傘は、名前の由来にもなっている蛇の目柄が特徴的です。蛇の目傘は傘を開くと、白い円形状の線が一周広がるようにデザインされています。傘の地の色の赤や紺に対して円模様の白さが引き立ち、色のコントラストがはっきりしたデザインになっています。

また蛇の目傘の特徴として、「ハジキ」が2段についていることも挙げられます。ハジキとは傘を開いたときに止める部分のことです。ハジキが2つ付いていると傘の開き方の調整ができます。風が強いときや人混みを歩くときに傘を狭めて開くことができるため便利です。

和傘と蛇の目傘の違い

和傘と蛇の目傘の違いは、傘を差すときのシチュエーションにあります。和傘は竹や和紙を使った傘の総称で、和傘の1種として蛇の目傘があります。蛇の目傘は雨の日用の傘ですが、和傘はそれ以外のものも含みます。

和傘には蛇の目傘以外にも、日傘や舞傘などの種類があります。どちらも防水加工が施されていないため、雨の日には使えません。日傘は晴れの日に、舞傘は日本舞踊や歌舞伎の際に使います。

番傘とは

和傘

番傘とは和傘の1種です。蛇の目傘を改良・安価にして、庶民が持てるように作られた傘です。以下では番傘の特徴や、和傘との違いを説明します。

番傘の特徴

番傘の特徴のひとつは、骨組みがしっかりとしていて持ち手が太いところです。骨組みや持ち手には太い竹を使用し、和紙には上から油を引いて防水加工を施しています。

また番傘に使われる和紙は無地のものが多いのも特徴です。番傘が普及した理由には、庶民が使いやすいように実用的かつ安価だったからという歴史があります。現在の番傘には柄物の和紙を使用したものもありますが、番傘は基本的にシンプルな作りになっています。

和傘と番傘の違い

和傘と番傘の違いは使用できる天候にあります。番傘は和傘の1種であり、雨の日に使う傘です。しかし和傘には番傘以外のものも含まれ、中には雨の日に使えない傘もあります。雨用の傘か雨用以外の傘も含むかが、和傘と番傘の違いです。

番傘と蛇の目傘の違い

番傘と蛇の目傘の違いはデザイン性の高さにあります。番傘は太い骨組みやシンプルな和紙で作られており、機能美を感じさせる意匠になっています。一方の蛇の目傘は、蛇の目柄を残しつつデザイン性のある和紙を使ったり、傘の内側に糸飾りがあったりと、華やかな見た目になっています。

雨傘とは

雨傘とは、雨天時に使用するための傘のことを指します。以下では雨傘の特徴・種類・和傘との違いを説明します。

雨傘とは

雨傘の特徴

雨傘の種類

和傘と雨傘の特徴

雨傘の特徴

雨傘の最大の特徴は防水加工が施されている点です。雨傘の生地にはポリエステルやナイロンなどの化学繊維が使用されていることが多く、雨滴を弾く効果があります。

また雨傘は雨天で使用するため、耐久性が高いのも特徴です。骨組みには、鉄・スチール・カーボンファイバー・グラスファイバーなどが使用されています。これらの素材を混ぜた混合材を使うこともあります。

雨傘の種類

雨傘は大きく分けて、和傘と洋傘に区別することができます。和傘は骨組みに竹、生地に和紙を使用したものを指します。一方の洋傘は骨組みに金属、生地に布を使用したものを指します。

また雨傘は長さ・開き方・形などによっても分けられます。長さで分けるなら長傘と折傘、開き方で分けるなら手開きとジャンプ傘、形で分けるなら標準張り・深張り・浅張りに分類できます。

和傘と雨傘の特徴

和傘と雨傘の違いは、用途・素材・構造などにあります。雨傘は雨に濡れないために差すものですが、和傘は雨除け以外の用途に使われるものもあります。和傘には直射日光を遮るための日傘や、日本舞踊や歌舞伎の小道具に使う舞傘などもあります。

また和傘と雨傘は素材も異なります。和傘の素材は天然素材が多く、骨組みは竹・木・糸、生地には和紙が使われています。対して雨傘は洋傘も含むため人工素材が使われているものが多く、骨組みは鉄やカーボンファイバー、生地にはポリエステルなどが使用されています。

さらに和傘と雨傘は構造も異なります。和傘の骨の数は多く、30本から70本あるものまであります。しかし雨傘の洋傘は、一般的に骨の数が8本となっています。また傘を開いたときの形も異なります。和傘は直線的な末広がりの形に、洋傘の雨傘は丸みを帯びたアーチ状に開きます。

和傘を知って使ってみよう

和傘

本記事では、和傘の特徴・メリット・種類や、蛇の目傘・番傘・雨傘との違いを紹介しました。和傘は竹や和紙などの天然素材を使って作られた傘のことを指します。軽量かつコンパクトなため持ち運びしやすく、和装に合うのも特徴です。

和傘の種類は雨天用のものとそうでないものとで分けられ、蛇の目傘や番傘は雨天用のものに分類されます。よって和傘と蛇の目傘・番傘は用途が異なり、雨の日用かそうでないものも含めるかという違いがあります。また和傘と雨傘の違いは、用途・素材・構造などに見られます。